皆さん、こんにちは。
運営担当のファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太です。
このメルマガでは、一週間の経済情報の総まとめとしてその週にあった出来事の中から、知っておいていただきたい事柄をピックアップし解説いたします。
是非ご活用いただきますようお願い申し上げます。
ということで、第27回目になります。
今回は経済情報をお送りいたします。
皆さん、こんにちは。FPの江尻正幸です。
米国の債務上限引き上げ問題が決着しましたね。今後の行方としては米国経済および欧州の財政問題がどうなるかにかかってくるといえます。
さて、今回は2011年7月28日(木)の日本経済新聞朝刊4面に掲載された公募投資信託の話題を取り上げます。
投資信託協会によりますと、公募投信の本数が12年ぶりに4,000本を超えたそうです。5月に設定されていたファンドは3,990本でした。そこから35本増加し、6月には設定ファンドは4,025本となりました。
では、純資産総額も本数増加に比例した動きを見せたのでしょうか。そうではありませんでした。6月、4,025本のファンドに対して純資産総額は65兆7,632億円ですが、これは5月と比較すると1,118億円の減少となっています。つまり、ファンドの設定本数が増えているにも関わらず、純資産が減少しているのです。これは、単純に6月中に償還を迎えたファンドが多いからでしょうか。統計資料を見てみますと、償還額は6月より5月の方が大きく、解約額が増加していることがわかります。
ここから、日本の投信に関する問題点について考えることが出来るかもしれません。上記の記事にも記載されていましたが、投信を販売する側にとっては、新しい商品の方がお客さんに勧めやすいので、それまで保有していた投信を解約させ、新しく設定された投信に乗り換えさせることが行われていることが考えられます。これは、売れている商品の類似商品が新たに発売されることも関係しています。人気のある投信と似たような商品が新たに売り出されたならば、販売する側にとっては非常に売り込みやすいのです。
一方、購入者はそのような売り込みを受けて、どのように考えるでしょうか。「みんなが買っている」、「これからも価格が上がるだろう」などと販売担当者から勧められると、何となく安心してしまうかもしれません。そして、それまで保有していた投信を解約し、その「お勧め」投信を購入するのです。
この場合、その新商品が実際に収益を上げ、今後も好成績が期待できるなら良いでしょう。しかし、人気があるファンドが全てこれに当てはまるわけではありません。では、どのような点に留意すべきなのでしょうか。
最近の投信によくあるタイプで「毎月分配型」というものがあります。その言葉通り、分配金が毎月手に入るので、年金以外の収入を手に入れたい方などに勧めやすいものです。ここで留意したい点は、その分配金が「普通分配金」か「特別分配金」か、という点です。そのファンドの収益から支払われているのであれば、「普通分配金」として受け取ることになります。この場合、課税はされますが、その投信の基準価格は上昇します。一方、「特別分配金」が支払われる場合はどうでしょう。受け取る側は非課税ですが、元本を取り崩していることになるのです。
ここまで説明したことを、次の例を元に理解してみましょう。田中さんは、W証券会社から1万円(=基準価額)で毎月分配型のA投信を購入しました。その後、分配金として500円が指定口座に振り込まれました。その時、A投信の分配落ち後基準価額(500円の分配金を受け取った後の基準価額)が9,800円ならば、その分配金500円のうち200円は、元本を取り崩して田中さんに支払われていることになるのです。
その後、A投信の運用実績が上向けば取り返せるかもしれません。しかし、2回目の分配金500円を受け取った時、A投信の分配落ち後基準価額が9,300円ならば、いかがでしょう。田中さんが購入したA投信は、700円も基準価額が下がっていることになります。このような分配金と基準価額の関係性を理解しておきましょう。
この時に、A投信を購入したW証券会社から「田中さん、A投信は基準価額が下がっています。一方、先週発売された毎月分配型のB投信は人気で、今後の基準価額上昇が見込まれます。A投信を解約して、B投信に乗り換えましょう!」という提案を受けるかもしれません。このような提案には、安易に乗らないようにしましょう。運用会社や発売時期が違うだけで、投資している先は同じかもしれないからです。値下がりしているA投信と同じような先に投資しているB投信を購入した場合、単純に手数料を金融機関に儲けさせているだけであり、田中さんにとってはあまり良いことはないでしょう。
参考URL
社団法人 投資信託協会 http://www.toushin.or.jp/
【FP伊藤亮太の今後の予定】
◆2011年8月10日(水)
ビジネス教育出版社にて、FP継続教育セミナー『M&Aという観点から捉える株式投資』講演を行います。
http://www.bks.co.jp/seminar/s08/KNY-RYOTA-I-20110810.html
◆2011年8月11日(木)
FPの仕事とは?動画配信にて全国生中継いたします。
◆2011年8月18日(木)
FP勉強会サムライズにて、ライフネット生命出口治明社長による講演を開催いたします。ご予約はinfo@skirr-jp.com まで
◆2011年8月24日(水)
SBI証券新宿支店にて、【緊急開催決定!】大人気FP 伊藤亮太氏が語る「初心者でも解かる!為替動向、その現状と活用法!」講演を行います。
詳しくはスキラージャパン株式会社ホームページをご覧ください。
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