今週の気になる新聞記事として、日経ヴェリタス5面「インデックス型投信のメリットは・・・個人でも国際分散投資」を挙げたい。
今週の日経ヴェリタスの特集は「プロが選ぶいい投信」であった。その中で、注目したのはインデックス型投信である。著名なFPの方々がコメントしている通り、インデックス型投信は、販売手数料・信託報酬ともにアクティブ型の投資信託よりも安い場合が多い。また、市場の平均を目指すため、経済成長著しい新興国に投資するなど銘柄選びが難しい場合には有効な手段といえる。
ただし、日本株の場合、人口減少や為替を考えると日経225などの指標に連動する投資信託が今後も良いリターンを挙げられるかはなんともいえず。日本の場合、世界でも通用するような企業の株式(大型株)に投資するほうが効率的といえる。
今回、インデックス型で選ばれたファンドは下記のとおりである。
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ファンド(運用会社) |
特徴 |
1 |
eMAXIS(三菱UFJ) |
ネット販売専用の割安IFシリーズ |
2 |
STAM(住信アセット) |
国内で初めてシリーズ化された割安IF |
3 |
上場MSCIコクサイ株(日興アセット) |
国内初の先進国株指数型のETF |
4 |
上場MSCIエマージング株(日興アセット) |
国内初の新興国株指数型のETF |
5 |
ニッセイ日経225(ニッセイアセット) |
割安IFの先駆け |
5 |
金価格連動型(野村アセット) |
円建て金価格に連動するETF |
7 |
日経225連動型(野村アセット) |
国内初の本格的ETFの1つ |
8 |
TOPIX連動型(野村アセット) |
国内最大級の日本株ETF |
9 |
SPDRゴールド・シェア(WGTS) |
現物を裏付けとする世界最大の金ETF |
10 |
ボベスパ連動型(野村アセット) |
ブラジル株指数に連動するETF |
(出所)日経ヴェリタス2010年10月3日号5面
キーワードは、「低コスト」、「国際分散投資」、「純資産残高」といったところであろうか。基本的に上記で選ばれたETForIFは「信託報酬がかなり割安」である。4位の上場MSCIエマージング株は新興国型であるにもかかわらず、信託報酬は0.265%と非常に安い。この中のファンドを複数組み合わせることで十分「国際分散投資」は可能である。外国株式の場合個別企業では財務諸表等不安な面もあるが、インデックスではそうした心配はおきにくい。資源高や成長著しい国などの恩恵を受けるにはこうしたインデックス型が無難かもしれない。
もう一つのポイントとして「純資産残高」が挙げられる。上記のようなファンドでは問題ないと思われるが、純資産残高が少ない場合には償還の可能性や価格変動が大きくなる可能性がある。純資産残高が数億円といったファンドは避けたほうがよいといえる。
日本でもようやくインデックス型ファンドで「長期保有」に適した投資信託が数多く販売されるようになってきた。資産運用の基礎的土台として、インデックスファンドがさらに普及することを願っている。
執筆者:伊藤 亮太(ファイナンシャルプランナー)
スキラージャパン株式会社(http://www.skirr-jp.com)
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