今週の気になる新聞記事として、日経ヴェリタス11面「危機後の株価上昇銘柄、デフレ消費つかむ」を挙げたい。
リーマン・ショックからはや2年。時間の経過とともに、新興国を始め早くも経済が立ち直る動きもみられるものの、先進国ではまだまだ経済は不安定といえる。そんな中、日本企業においてもデフレ経済を逆手にとって成長し、活躍しているパターンもみられる。
日経ヴェリタスによると、全国の取引所に上場する時価総額300億円以上の企業を対象に金融危機後の株価上昇率を調査したところ、1位はスカイマーク(9204)で上昇率328.08%、2位はパル(2726)で上昇率264.45%だそうである。スカイマークは格安運賃の航空会社であり、パルは若者向けカジュアル衣料の製造・販売(SPA)を行う。どちらも「値ごろ感」、「お得感」から消費者に受けたといえる。
その他にも、低価格メニューで有名なゼンショー(7550、牛丼のすき屋など運営)、巣ごもり消費関連銘柄としてはカカクコム(2371、比較サイト運営)、ディー・エヌ・エー(2432、モバゲー運営)などの上昇率が目立つ。医薬品や住宅関連の銘柄も上昇している。
面白いのが、PBR(株価純資産倍率)が低い銘柄ほど株価が上昇している点である。やはり、現在でもこうした指標はある程度投資を行う上で役に立つといえる。
逆にランキングに入っていないのは、輸出企業や増資を行った企業である。円高ドル安を背景に輸出企業の株価は売られる傾向にあったからである。為替介入があり一ドル85円台まで戻ったとはいえ、まだ予断は許せない状況にあり、今後も輸出企業の株式には不透明感が漂う。
また、銀行や証券会社の株価もおもわしくない。大型増資の影響が大きいといえる。そのためか、日本全体として見た場合、日経平均などはイマイチ。
デフレ経済が続く中、短期で見れば内需銘柄の方が投資妙味があるのかもしれない。
執筆者:伊藤 亮太(ファイナンシャルプランナー)
スキラージャパン株式会社
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